균사에 관한 연구(일본 사이트)

BREEDING LABO 「クワカブ飼育周りのこと諸々」へ

 「菌糸ビン飼育やりたいんだけど、手間も費用もかかりそうだしなぁ…」


 初めて菌糸ビン飼育をしてみようと思う方の中には、当然こんなお悩みをお持ちになる方も多々いらっしゃるはず。 確かに800ccクラスの菌糸ビンをまるっと買えば、200~500円/本程度が標準的。 対する菌糸ブロックは、500~800円/3L~4.5L程度が標準的。 詰める手間さえ惜しまなきゃ、コストはざっと半分程度。

 とは言え… 「どんな詰め方すりゃいいんだろ?」 ってノウハウは、他サイトさまのコンテンツでも十分記述されてるとは言え、隊長父もそろそろアップしなきゃいけなさそうな雰囲気ちらほら… <さりげなく強迫観念感じる。

 そんな訳で、一般的な詰め方ノウハウはそこそこに、菌糸ブロック29個=800cc菌糸ビン約130本を1日で詰めきった隊長父の大技?や、お気楽まるっと菌糸ブロック飼育なんかをご紹介。 ご参考になりましたら幸いです。


 ■ ところで… なぜ菌糸?


■ まず始めに
 一般的には 「菌糸ビン」 って呼ばれてますけど、「菌糸」 ってのはあのオガの中を張り進んでる糸状体を総称した呼び名で、それが繁茂しているあのオガ自体は 「菌床」 ってのが正確な表現です。
 この菌糸自体がキノコの本体にあたり、一般的に 「キノコ」 と言われるモノは 「子実体」 というのが正しい名称です。
 とは言え、当サイトではこの業界で一般的に使われてる 「菌糸」 って表現で通させていただきますんで、一応ご承知下さいませ。






















 ■ なぜ菌糸を使うんだろ?





































































菌糸ビンを詰める前に小さなギモン…

「なぜ菌糸ビンでクワガタ飼育すんだろ?」

…、……。
これだよ、これ。

隊長父コンテンツ、「いいからそんなことスルーしとけ」 なんてことは絶対無し!! っていうか不思議だったの、実は初心者時代の自分 (笑)
 理由きちんと知っとけば、より良い飼育を楽しむことができると思ってます。 なので菌糸ブロック詰める前にちょっとそのお話など。


 クワ幼虫の食べる朽ち木… この木質細胞を組成で見ていくと、主に 「リグニン・セルロース・ヘミセルロース」 という三つの物質で構成されています。
 実はクワ幼虫、この中の 「セルロース」 を栄養分として摂取しなきゃなんですけど、生木の状態ではこのセルロースを 「リグニン」 と 「ヘミセルロース」 ががっちり固定して離さず、安定物質 「リグノセルロース」 にしちゃってます。
 建築物に例えて言うなら、鉄筋であるセルロースを、ヘミセルロースが束ね上げ、それをリグニンがコンクリートのように固めこんじゃうってイメージです。


「それならクワ幼虫がそのまま食って、
 人間みたく腹の中でどんどん分解して、消化吸収すりゃいいじゃん!!」


 ごもっとも… お説ごもっともなんですけど、実はクワ幼虫、これらを直接分解できる消化酵素を持ち合わせず、お腹の中で木質細胞を細かく分解するってことができないんです。 つまり、クワ幼虫がセルロースを摂取するためには、最低でもリグノセルロースをセルロースにまで分解しなきゃ… とは言え、リグノセルロースは相当がっちり安定化しちゃってるし。

 でも、それをきっちり分解してくれるモノがあるんです <それが 「白色腐朽菌」。 いわゆる白枯れ系の材に繁殖する、ヒラタケやカワラタケ等のキノコ類なんです。


 キノコ、すげー!!


 白色腐朽菌はリグノセルロースからセルロースを分解し、さらにそれでも尚多糖体の状態にあるセルロースをもっと細かな糖類に分解し、結果として 「ブドウ糖 (単糖類)」 や 「オリゴ糖 (主に二糖類)」 にします。
 こうして成長のために必要な栄養分が、より摂りやすくなっている環境=菌糸ビンの中身という訳なんです。 私たち人間だったら、消化器官を通じて食物を分解するところですけど、クワ幼虫はこんな感じでキノコ類を通じてストレートに吸収できるように分解してもらってるんです。
 ちなみに斯界重鎮・小島啓史先生の研究により、クワ幼虫自身がセルロース分解を助ける微生物を体内に共生させていることも知られていますが、キノコ類の分解力には及ばないとのことです (分解力に優れていれば、キノコ要らないしね)。


 とは言え、セルロースを分解して得られる糖類って、生物に対する主な生理効果は、ご存知の通り 「エネルギー源」 に他なりません。


 そうなると… エネルギー源ってことで、幼虫が活動するために使うことはできるけど、身体そのものを構成しているタンパク質には、どう転んでもなり得ず…


「これじゃ成長するのは不可能じゃね?」


 つまり、身体そのものを構成する物質である 「タンパク質」、あるいはその前段階となる 「アミノ酸を始めとする窒素化合物」 を、何らかの方法で摂取するか体内合成しなければ、身体は一向に大きくならない… って訳です。


 ここで注目すべきは菌糸の働き。


 菌床のオガ (あるいは朽ち木) 内で縦横に成長を続ける 「菌糸」 は、成長を続けていく過程で、やがて菌糸の繁茂に頼らず、次の世代が別の場所を住みかとするために胞子を飛ばします (そうしないと、その朽ち木が衰退しきっちゃった時点で、自分の寿命も終わりになっちゃいますでしょ)。 この胞子を飛ばす役割を持つ器官がいわゆる 「キノコ」 で、専門的には 「子実体」 と呼ばれてます。
 そんな菌糸、やがて子実体を形成しなきゃってことで、木質分解進める中、来たるべき時に備えて菌糸内部に 「グルタミン酸カリウム」 って物質を、どんどん蓄積していくことが、研究によって明らかになっています。

 「グルタミン酸」 ってアミノ酸の一種なんです。 つまり、菌糸の分解してくれたセルロースを摂取して、活動のエネルギー源にするばかりじゃなく、菌糸そのものを摂食することで、タンパク源であるアミノ酸を摂取できるってことなんです。


 キノコ、すげー!! (再出)


 逆に言うと、「菌糸ビンにキノコ生えたら摘み取ろう!!」 って言われますけど、科学的な見地では 「子実体形成時は、クワ幼虫の成長に必要なアミノ酸がどんどん消費されちゃって、結果としてオガコ自体は劣化も少なく、新品同様に見えていても、菌糸ビンの中身は栄養分の無いスカスカ状態になっちゃうから」 ってことなんです。

 「それなら最初から、菌糸オガの中にタンパク質やアミノ酸を含む成分を添加しとけばいいじゃん!!」 なんて発想も出てくると思いますが、これやってビックリ…。

 タンパク質ってのは、とんでもなく分解されやすく、さらには腐りやすい成分なんです…。
菌糸ビン管理に必要な、20℃以上の温度域を保ってれば、分解どころかすぐに腐敗し始めちゃって、凄まじい臭気を発してきます…。


 えらく描写が生々しいな、自分?


…、……。
経験者なもんで、つい… <あまりオススメできません (苦笑)


 菌糸ビン内部の環境を良好に保つこと=木質分解を良好に継続でき、新鮮なアミノ酸成分が次々と供給される環境を保つことで、こうやって次々に良いサイクルで、クワ幼虫のエサに適した成分が作られ、摂食できてくってことなんです。

 さらに… 実は '07.1月に行われた大東京オフ会セカンドには、前述の小島先生がシークレット・ゲストとしてお越し下さり (ひゃっほー!)、隊長父は恐れ多くもそれに関するお話を直接させていただいたんです。 小島先生の研究によると、クワ幼虫は空中窒素からも窒素固定をし(!)、タンパク質を合成しているということが解明されています。


 ちなみに 「窒素固定」 ってもクワ幼虫自身が固定してる訳じゃないんです。


 「クワ幼虫自身がセルロース分解を助ける微生物を体内に共生させている」 って言いましたけど、この微生物は排泄を通じて体外にも放出され、結果として体内のみならず、幼虫が食い進んだ食痕の中で繁殖していて、単にセルロースをバラバラに分解しているだけじゃ無く、タンパク質合成をしてることが知られています。

 一見分解しているだけにしか見えない微生物の行動。 実はこうした微生物 (共生菌) も白色腐朽菌と同様の働きで、窒素や炭素等を固定したり、様々なミネラル分を生合成してます。
 で… 微生物自身の代謝に伴って、固定した窒素や炭素・あるいはミネラル分等を、共生してる幼虫の体内 (主に腸管内) に排出するんですけど、この窒素化合物 = アミノ酸は幼虫に吸収されて、結果的に成長に欠かせない、身体を作り上げるタンパク質の元となってるって事なんです。


 私見では、前出の糖類はクワ幼虫そのもののエネルギー源となるだけでなく、こうした空中窒素を体内固定するための微生物のエネルギー源としても併用されていて、それに伴って微生物の数が増え、さらに働きが増すことで、菌糸ビンや幼虫の体内では、成長に必要なタンパク質合成が一層進んでるんじゃないかって考えてます。


 菌糸ビン飼育のコツってのは、幼虫が自分の成長に必要な栄養分をきちんと摂り続けていけるだけのエサ環境を維持するってことですけど、これって逆から考えてみれば、菌糸が充分にオガを分解できたり、共生菌が充分にタンパク質合成できる環境を整えることでもあるんですね。


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 余談ですけど、オオクワ種をはじめとする白枯れ系の材に産卵するドルクス系に於いては、産卵木を加水する際にグルタミン酸ナトリウムやグルタミン酸ソーダ (通称グルソー) の入ってる 「うまみ調味料 (ex.味の素とか)」 を、バケツや飼育ケース中~大程度に対して小さじ1杯程度を水溶させて加水すると、よく産んでくれる傾向があります。
 私見ではこれ、前述のグルタミン酸蓄積を考えてみると、
「グルタミン酸成分を含有する材=幼虫の成長に最適な白枯れ状態にあるもの」と認識することで、より産卵に適した材との本能的判断が働いていると推測しています。

 ■ 菌糸ビンへの栄養添加はほどほどに
 上記のような過程を経て、菌糸ビン内はクワ幼虫にとって理想的なエサ環境になっていきますが、ここで忘れちゃいけないのは

「菌糸が朽ち木を分解することで初めてクワ幼虫に有益な栄養分がもたらされる」

ってことです。

 菌糸ビンを詰める際、特に菌糸ブロックを崩した段階で、小麦粉やフスマ・あるいはトレハロース等を添加する方もいらっしゃいますが、これも入れすぎに注意!!
 ってのも、菌糸は酵素による木質分解を経てグルタミン酸カリウムを蓄積し、それを栄養に子実体を発生させるんですけど、添加剤を入れ過ぎちゃうと、菌糸は 「いいエサみっけ!!」 とばかりにこの添加栄養分をメインにどんどんどんどん吸収して、それを栄養にして子実体を発生させようとしちゃうんです。

 特にこの傾向は、子実体発生に欠かせない 「グルタミン酸カリウム」 等のアミノ酸=タンパク質系物質を直接添加した際には、より顕著になります。
 つまり、
肝心の木質分解なんてめんどくさいことはサボっちゃって、キノコの成長しやすい栄養分が増やされちゃうんですから… 当然のことながら、こうしたアミノ酸は、クワ幼虫よりも菌糸そのものに先行してどんどん吸収されてしまい、結果として最適なエサ環境とはかけ離れてっちゃうんです。

 併せて、他の微生物もこの添加栄養分をどんどんどんどん分解しちゃいますから、結果としてビン内全般に分解が早まっちゃって、劣化が早くなっちゃいます。
 成分添加は個人のオリジナル。 楽しみだったり、飼育者秘伝のノウハウだったりしますけど、入れすぎにはご注意を。

※尚、以下は隊長父の飼育環境に於ける対応実例ですが、飼育環境の諸条件は飼育者さま毎に大きく異なります。 また同条件下でも飼育者さまの対応次第で、結果も変わってまいります。
 従って、この対応の実践に伴って十分な成果が得られなかった等の責は一切負いかねます。 予めその旨ご了承いただき、飼育者各位の飼育環境と工夫・そしてご判断の下で飼育を楽しまれますようお願いいたします。



 ■ 準備する



1.菌糸ブロック
 これが無けりゃ、話になりません。 サイズ的には記載容積3L~4.5L程度が一般的ですけど、一つ注意しなきゃなのは実際に使える菌糸オガの量。
 菌糸ブロックは記載容積が全量使えるって訳じゃなく、皮膜を剥がすことで減量しちゃったり、あるいは堅めに詰めると圧縮される分だけ体積減っちゃいますから、記載容積の90~95%程度が実際に使えるモノと考えた方が賢明です。

※同様に、詰めようと準備した空きビンも、規格容積全部詰められるって訳じゃなく、上部に余裕持ってとか考えるとやっぱ容積の90~95%程度が、実際に使える範囲と考えた方がいいです。



2.空き容器:ビン・ブロー容器・プリンカップ・飼育ケース等

 崩した菌糸オガを詰めて、「菌糸ビン」 として使います。
 隊長父の場合、パプキンだったら200ccプリンカップに詰めて、羽化まで無交換。 80ミリまでの中型種用だったら800ccボトル。 それを超える大型種の場合には1,400ccボトルを使ってます。
 あと、エサ環境に余裕を持たせて飼育しようとする場合には、果実酒用の大型ガラス容器とか、プラケースを使用してます。
 ご参考までプラケースの概算容積として、フタを除くケース本体の上部に1cm程度余裕を持って詰めた場合、ミニサイズだと約1,500cc・小サイズだと約3,500ccの菌糸ビン (菌糸ケース?) として使えます。

 それからもう一つ忘れちゃいけないこと!! エサ交換時など、一般的なヒラタケ系菌糸の場合には、多少堅く詰めてもオガを掘り進めますけど、カワラ系菌糸の場合には堅くて固くて…。
 勢いケースやビンのフチ部分をテコに使って掘り起こしがちなんですけど、そんな時に限って掘ってる最中に 「パキッ!!」 とヤな音が (私、実際にカワラ菌糸をコバシャに詰めて、交換時に何回か本体割っちゃってます…)。
 カワラ菌糸の場合はガラスビンや厚手PP等、掘り出し時の力にも負けない強度の高い容器に詰めるか、いっそブロー容器等の安価でヘナヘナした容器を 「捨てビン」 として使い、交換時は掘り出すんじゃなくて容器をざっくりカットしちゃうってのが実用的です <くれぐれも、中にいる幼虫をカットしませんように!!


3.冷凍食品用ナイフ@100円SHOP
 菌糸ブロックの皮膜を剥ぎ取る時に使います。 大型カッターに始まり、ペーパーナイフやパン切り包丁等々、各サイトさまではいろいろ工夫されてますけど、私は絶対これがお薦め!! だって、あの凍って固い冷凍物だってザクザク切っちゃう用の包丁、切れ味も長さ (刃渡り) も菌糸ブロック加工に最適。 これに勝るものなしです。

4.包丁シャープナー@100円SHOP <さらに…
 本来は包丁研ぐために使うモノなんですけど、詰め終わった後でビンのど真ん中に通気用の穴を開けるために使います。
 こうした対応、人によってはやってらっしゃらないんですけど、私の場合は経験上明らかにビン内の菌糸の張り方が、ムラ無く均質化されてますので推奨!!


5.バーベキュー網 (使ってないんで画像ありません)
 菌糸ブロックもたくさんあれば、それを手で崩すのも一苦労… そんな訳で、適度な大きさに切り出した菌糸ブロックを、この上にこすり付けて崩します (当然、下には崩したオガを受ける衣装ケースなんかを準備ね!!)。
 でも、実は隊長父、これ使ってないんですよ <詳細後述します。

6.衣装ケース・コンテナケース (使ってないんで画像ありません)
 バーベキュー網で崩した菌糸オガの受け・貯めに使います。 市販品では菌糸ブロック崩し用に 「網・包丁・衣装ケース」 をセット組みしたモノも販売されてます。 でも、実は隊長父… これも使ってないんですよ <またまた詳細後述します。


7.ガーデニング用スコップ@100円SHOP
 崩した菌糸オガをビンに入れるためのスコップです。 園芸用のこれ、ビンの口径サイズに応じて使い分けられるし、使用後は重ねられて収納便利だしってんで、とっても使い勝手良いです。


8.プレス用の棒
 100円SHOPのすりこぎ使っても全然まったく問題ありませんけど、菌糸ビン10本程度だったらともかく、それを超えてくるとやっぱ専用品に勝るもの無し!! 握りやすいT字型形状になってるだけで使い勝手は格段に違います。
 あと… 金属製はぐいぐい力をかけられるって点では良いんですけど、詰める本数が多い時には重さがストレスになっちゃうことと、この形状だと手の平の特定部位にマメできちゃうんですよ (20本超えるあたりから…)。 ただでさえ、さっさぱっぱと片付けちゃいたいところ、軽め木製の専用品を使ってストレスにバイバイ!!


9.漬物用の厚手大型ビニール袋
 これこれ!! 隊長父の菌糸ブロック詰めには絶対欠かせない定番アイテムです。 ちなみに一般的なビニール袋ってば、厚さ0.015~0.02mm程度なんですけど、漬物用の場合は0.05~0.06mm程度と結構厚め。 ここ、購入時の重点チェックポイントですからお忘れなく!!


10.消毒用アルコール・霧吹き・キッチンペーパー等
 用具や空きビン等に消毒用アルコール (エタノール) を噴霧したり、そのエタノールを拭き取るためのものです。 キッチンペーパーに似たようなものでティッシュペーパーがありますが、実は製造過程はそれほど厳格な衛生管理がなされていないので、あまりお薦めできません。
 また、アルコール成分100%に近い純度の 「無水エタノール」 は、殺菌という面では非常に有効ですが、実は揮発性が高すぎちゃって 「あっ!!」 という間に蒸発しちゃいます…。
 これじゃ逆に十分な消毒ができませんので、この場合は水で70~80%程度に希釈してお使いになることをお薦めします。







11.ビニール手袋
 忘れるところだった… いくら消毒・殺菌を念入りに行っても、手がバイキンだらけだったらどうしようもありません。 薬用石けんで洗った後に、ビニール手袋をはめて作業すれば、これからの作業もOK!! っていうか、トイレの後も必ず手を洗おう!! <念のため、両隊長へ。


 ■ いよいよ詰めてみる



1.菌糸ブロックを健康な状態にしておく
 あの… ここから書きだしてるサイト様ってのは私も見たこと無いんですけど、かなり重要なポイントだと認識してます。
 すっごく基本的なことなんですけど、菌糸ブロック詰めるために使う菌糸ブロックそのもの… これ、絶対に状態の良いモノ=菌糸が健康なモノを使ってください。

 って言うのも、菌再生 (再発菌とも言います) させる前の菌糸オガを詰めたばかりのビン内は、それまで菌糸ブロック内で縦横に張り巡らされていた菌糸本体がズタズタに寸断され、生き物としては相当弱った状態になっちゃうんです。

 夏季に30℃を超える高温下で配送されてきた直後で弱ってるモノだったり、あるいは10℃未満で低温保管して休眠状態にあるモノの場合、そのまま使うと十分な菌再生が期待できないばかりでなく、弱りかた次第ではカビなんかの雑菌繁殖に負けちゃって、絶対に使えそうもない菌糸ビン (っていうか、カビ増やしてんのかよみたいなビン…) に成り下がっちゃうこともあるんです。
 そういう状態の菌糸ブロックは、20~25℃程度の適温環境下で数日~一週間程度養生させて、菌糸が健康な状態になってから詰めることをお薦めします。



2.ビンや用具を消毒する
 「消毒」 って表現してますけど、実際やるのは用具に付いちゃってる雑菌を、殺菌・滅菌・減菌することです。
 菌糸っていう生き物、実は十分健康な状態であれば、こうした雑菌を抑制・征圧する程度の抵抗力は十分持っていて、決してこんなヤツらに負けません!! だけど、そこは生き物… 詰め替え直後で菌糸ズタズタでダメージ受けてる時や、時間経過と共に菌糸そのものが衰退してきた時なんかは、雑菌への抵抗力も弱っちゃって、雑菌の繁殖に抗えなくなっちゃってることも多々…。そんな訳で、最初から菌糸ビン内に雑菌を入れないのに越したことは無し!!

 一般的には 「消毒用アルコール (消毒用エタノール)」 を霧吹きで用具に噴霧して、それを自然乾燥させたり、キッチンペーパー等の衛生管理がなされてる紙類で拭き取ります。
 消毒に関しては、熱湯でビンや用具を煮沸するって方法もありますが、ビン1本1本までってなると、大きさ・広さ的にも結構なことになっちゃったり…。 そういうことができる環境にいらっしゃる恵まれた方は、こういう手もありってことで。

 そうそう、忘れちゃいけないのが菌糸を詰め込むビンの置き方… これ、消毒し終えたら必ず口を下にして置いておいて下さいね。 上向きにしといたら、せっかく消毒したところにまたまた空気中の雑菌がゆっくり降り注いじゃいますから (いかに浮遊するほど軽い菌体とは言え、重力かかってますんで次第に落ちてきます…)。
 それから… ビン内に消毒用アルコールが残ってる状態で菌糸オガを詰め込んじゃうと、消毒用アルコールが逆に菌糸そのものを殺菌・滅菌・減菌しちゃって、却って菌糸オガにダメージを与えちゃうこともあります。 きちんと拭き取ったり乾燥させたり、この辺りにもご注意を!!




3.ビニール手袋等を装備する
 以下の作業、基本的に細部作業用なんかの薄手ラテックス手袋をはめて、手指の雑菌を巻き込んじゃわないようにして進めます。 っていうか、ぴっちりした手袋はめるだけで、気分的にはもう↑↑って感じに… 盛り上がっていきましょう!! <いや静かにやれよ、自分…。








4.菌糸ブロックの皮膜を剥ぎ取る
 まず最初にやらなきゃってのが、菌糸ブロックをバラバラに崩して、菌糸ホカホカのオガ状態に粉砕することです。 ここで大切なのは、全周を覆う 「白い皮膜」 をそっくり取り除いちゃうこと!!

 この皮膜、元々何のためにあるのかって言うと、「大気と菌糸とが接触する面に形成して、菌糸本体 (オガ含め) を雑菌や乾燥・温度変化から守るためのもの」 だったり、「直射日光に弱い菌糸を守るために遮光するためのもの」 なんです <実際、光が片側から当たるようになっていると、そっちの面だけ皮膜が発達します。 だから逆に言えば、菌糸ブロックを崩したり、菌糸ビンを掘ってみても、中はうっすら白いこともあるとは言え、皮膜なんて一切見当たりませんでしょ?

 と言うことは… この皮膜上には、ブロックされた雑菌なんかも一緒に付着してるってことなんです <特に通気孔周辺は要注意箇所!! そんなモノまで混ぜ込んで菌糸ビンを詰めちゃったら、さあ大変!! 何も無ければこれ幸いですけど、途中でカビが侵食してきちゃったりっていうリスクは間違いなくアップ!!

 飼育も仕事もあるいはWEBだって、リスクあるんだったら最初からそれを徹底排除しちゃうのが隊長父のモットー <…、……。 なので、この皮膜もキレイに全部剥ぎ取ります。 細かなところですけど、種菌を打ち込んだ穴部分ってのがありますが、ここもムラ無く掘り取っておけば万全です。







5.菌糸ブロックを崩す
 一般的には手で崩したり、ヘビーユーザーになるとテキトーな大きさに切り分けて、「崩し網」 ってバーベキュー用網の転用品等を使ってゴシゴシこすりつけて崩すことになると思います。 が… ここでの問題は特に夏季。 湿度多くて雑菌豊富、大気中にまで多く浮遊しちゃってるこの時期は、こうやって崩してる間にも知らず知らず、雑菌を菌糸オガ内に巻き込んじゃってるんです。

 ってことで、ここからは隊長父の本領発揮!! まず登場させるのが 「漬物用大型ビニール袋」。 これに皮膜を剥ぎ取った菌糸ブロックをまるっと入れて、袋を揉むようにして崩しちゃうんです。
 そうすると中に残るのは、大気中のホコリや雑菌をあんまり巻き込まず、ビニール袋に封入された菌糸オガ!! 「G-pot」 で有名なFortech社さんでは、詰めやすくこうした状態に粉砕加工した 「G-クラッシュ」 っていう商品を実際に販売なさってらっしゃいますけど、衛生管理面等では多少は見劣りするにしても、イメージ的にはそんな感じ。
 こうやって、4~5ブロックくらい一気にやっつけちゃえば、後の仕事も楽になるってもんだ!! ちなみに漬物用ビニール袋、これは 「食品を直接入れるモノ」 ってんで、製造時の衛生管理面でも配慮がなされてます。

 あと… 時間に余裕が無い時なんかは (いつもですけどね、私は…)、ビニール内の菌糸ブロックを脚でそっと踏んづけながら、粉砕したりしてます。 但し… チョーシこいてガンガン強く踏みつけたりしすぎると、袋が破裂してエラいことになっちゃうばかりか、菌糸オガそのものを強い衝撃で弱らせてしまうことにもなりかねませんから、これまたご注意を。







6.菌糸オガを詰める
 崩した菌糸オガをいよいよ空き容器に詰めます。 で… 詰める際に注意するのは、底面&外周側面はきっちり堅く詰めるってことです。 なぜかって言うと理由は二つ。

 一つは、容器と界面を成すこの部分は大気接触面となるので、しっかりと皮膜形成してもらって、雑菌や温度・湿度の変化等の外的刺激を、がっちり受けとめ緩衝してもらわなきゃだからです。 ゆるゆるに詰めちゃうと皮膜形成が不十分になって、こうした外的ストレスを受けやすくなっちゃうばかりか、ビンと皮膜の隙間からカビが発生してくることにもつながりかねません。
 もう一つは、ここがしっかり詰まっていると、菌糸オガ培地全体の剛性=強度が高まり、蛹室形成後の崩落リスクなんかも格段に減らせ、劣化も遅く安定した生育スペースを、比較的長時間維持できるんです。

 イメージ的に、底部と外周側面を詰める時には、「ぐううううっっ… ぐううううっっ…」 っと全体重をかけて押し込む感じ。 ビン中心部は 「ぐっぐっぐっ!!」 と手で押し込む感じです (判ります? こんな擬音表現で)。

 ところで… 一時期、「大顎が発達した個体に育てあげるには、菌糸ビンやマットをガチガチ徹底的に堅めに詰めて、幼虫時期に顎の筋肉を発達させると良い」 ってお話がありました。
 でも、「体内に骨格を持ち、鍛えるほどに筋肉がその上に形成される」 という人間等の内骨格を持つ生物とは根本的に身体構造が異なり、昆虫は外骨格を形成してその中に筋肉が形成される生物ですから、学術的な因果関係・相関関係は、未だ認められていないようです <っていうか、科学的な知見では肯定的なご意見をあまり拝見してません…。
 逆に菌糸オガをガチガチに詰めすぎることで、菌糸そのものの呼吸が十分行えない程の培地になってしまい、正常な菌再生に支障をきたして均一な品質が得られなくなってしまったり (これ、すっごくありがちだと思ってます)、また幼虫にとっては無駄な体力を使わなければ食い進めないことで、却って体力消耗しちゃったり衰弱させられちゃうなんてことにもつながりかねません。 何事もそこそこほどほどにね。





7.通気穴を開ける
 こうして詰め終わった菌糸ビンは、これから菌再生のプロセスへと進みます… が、菌再生のためには、菌糸自体が十分な呼吸・代謝をし、細胞分裂を進め、増殖していかなければなりません。
 と言うことで、この段階の菌糸ビン内は、菌糸自体が活性化して呼吸量も増加するため、酸素を大量に必要とするばかりでなく、二酸化炭素排出量が一時的に増える傾向にあります。 それを十分に行わせて、ムラの少ない均質な菌糸培地を形成してもらうためにってんで、ここで一手間かけて通気用の穴を開けておきます。

 私の場合は件の包丁シャープナーで、ビンのど真ん中にズバッと一突き!! <実際は堅く詰まってるんで、一突きなんて訳にはいきません…。 ビン底まで貫く縦穴を開け、これを促進しています。
 実はこのプロセス、やらない方も結構拝見しますけど、実際にやってみるとビン内の菌糸の張り方が、明らかにムラ無く均質化されてますので、私は推奨します。







8.菌再生完了を待つ
 待つ… って、ただ詰めっぱなしで置いておきゃいいって訳にはいきません。 ここで重要なのは温度管理と呼吸です。

 まず温度。 菌再生時には発熱を伴い、菌糸ビン内温度は通常30℃近くまで上昇します。 が、ここで 「熱いぞ?」 ってんで冷やしちゃったり、涼しい場所に置いたりしちゃいけません。
 菌糸ってのは25℃前後の安定した温度域で、菌再生を最も活発に行うことができるんです (また、そうした最適環境を自ら作り出すために、こうして発熱してるんです)。 なので、加温する必要こそありませんが、少なくとも20℃台半ば (25℃±2℃程度) の温度が保てる場所に置き、菌再生を促します。
 ちなみに隊長家のある松本は寒冷地につき、冬場は室内常温じゃ菌再生もままなりません。 そんな時は23℃前後のクワ棚 (簡易温室) 内で、菌糸ビン外周をタオルでぐる~っとくるんでやると、20℃台後半の温度域を容易に保つことができてます。
 それから… 日当たり良い場所の方が温度上がるってことで、直射日光さんさんと降り注ぐ場所に置こうかなんて考えが思い浮かぶかも知れませんけど、菌再生は直射日光を避け、暗所で進めて下さいませ。

 あとこのタイミングの菌糸ビン、呼吸もとても活発で、二酸化炭素をバシバシ排出しています。 なのでフタもきっちり閉めず、上に置いておく程度にして、空気流通を良くしています。

※飼育者さまによってはフタをせずに一時的にガーゼを被せておくだけだとか、あるいは二酸化炭素が大気中でも比重の重い気体であるってことを鑑みて、ビンそのものを上下逆さまにして、強制的に重力排出させてるなんて方もいらっしゃいます。 そこまで徹底できれば文句なしですね (私はそこまでできません…)。


9.菌糸ビン完成!!
 こうした保温状態で1週間~10日程度経過すると、菌再生も完了し、発熱もひいて二酸化炭素排出も落ち着いてきます。 菌再生が完了した菌糸ビンは、外周側壁に菌糸が白い皮膜を形成している様子が見受けられるはずです。
 この状態になったら、お待ちかね幼虫の投入!! …っていきたいところですけど、幼虫を投入する際は、必ず幼虫を飼育している環境温度と菌糸ビンの管理温度を合わせてから、入れてあげるようにして下さい。

 菌糸ビンの温度と、現在幼虫がいる飼育環境温度に大きな差があると、幼虫はストレスを受けつつ適正な居場所を探そうと菌糸ビン内を徘徊し、いわゆる大暴れをしちゃうことが多いです (特に冬場、温度管理された温かな菌糸ビンから、過度に冷えた菌糸ビンに投入した場合などは、人間がいきなり水風呂へたたき込まれた姿なんかを想像すれば、容易にご理解いただけるかと…)。
 多少の温度差程度であれば全然まったく問題ありませんけど、温度差が大きくなりすぎないように事前に同じ場所に置いて、温度を合わせておくことも重要です。



 ■ もっと手軽に、まるっと菌糸ブロック飼育!!
 さてさてこんな感じで菌糸ブロックを詰めてみたものの、単位が20ブロックとかに及んじゃうと、結果詰めるのに一日がかり… 「手間考えりゃ、菌糸ビンをケース買いしちゃった方がいいんじゃねーの?」 ってお感じになる方もいらっしゃるはず。
※私、一気に30ブロック弱=130本近く詰めた時、まじでそう思いました…。


 「もっとカンタンに菌糸使った飼育ってできないかなぁ…」


 そんな皆さま、お待たせしました!!
 隊長父のお手軽菌糸飼育の筆頭がこれ。 いえ、取り立てて目新しいことをやってる訳じゃないんですけど、意外と皆さんお気付きにならないこの盲点!! 「菌糸ブロック=崩して詰めて菌糸ビンにする」 ってセオリー取っ払っちゃって、「菌糸ブロック=そのままケースインで使う」 って発想で考えちゃえば、こんなに楽なこともできちゃうんです。

 手順書くほどのことでもありませんけど、特に大容量の菌糸で飼育したいっていう大型種 (オオヒラタを始めとするドルクス系大型種やギラファノコ等) や、掘り出し苦慮する堅~いカワラ菌糸にはとっても有効 <いえ、カワラはまじで感動します。
 この方法、何が一番うれしいかって、菌糸交換の手間大幅削減!! 交換時もブロックごとすっぽり取り出して、幼虫回収してまた同じ要領でブロックをセット… 特にカワラ菌糸みたいに、ケースやビン内にガッチガチに堅く菌糸張り巡らせちゃう菌種では、これってすごく画期的な出来事だったりしてます (なんか、仕事上の業務改革なんかの 「時間はコストだ」 ってのを思い出しちゃった…)。

ってことで、一応ご紹介まで。




1.菌糸ブロックと飼育ケースを用意する
 菌糸ブロックと飼育ケースを用意するだけです。


2.ビニール袋の上面をカットする
 菌糸ブロックを包んでいるビニール等の、上面だけをカットします。





3.飼育ケースに菌糸ブロックを入れる
 菌糸ブロックを包んでるビニールごと、飼育ケースに入れちゃいます。 隙間があるようであれば、そこは適宜食性に応じたマットを詰め込んじゃいます。 あるいは逆にケースより大きめだったら、適宜カットして大きさを合わせます。
※ケース小さめだからってんで、無理やりぐいぐい押し込むと、ケース割れちゃうこともありますからご注意!



4.幼虫投入用の穴を開ける
 幼虫を投入するための穴を開けます。 上面皮膜を全部剥いじゃうなんてことはしてません。
 また、菌糸ブロックは一般的に3L~4.5L程度が標準的な容量です。 なので、共食いリスクがほとんど無い種類の幼虫であれば、初二令幼虫の場合に限って複数頭数を入れての多頭飼育も可能です (うちではコクワがその筆頭で、10頭/1ブロック程度での多頭飼育をし、その後個別飼育に移行しています)。


5.幼虫を投入する
 幼虫を穴に投入します。



以上終わり <…、……。



 って、これやると 「幼虫がビニール食べちゃわない?」 ってご心配もあるでしょうけど、実際幼虫はビニールをかじることもしばしばありますけど、口器にはそれが食物か否かを識別できる器官がちゃんと付いてますから、食物じゃないことを認識すると決して食べようとはしません (PPボトルなんかもかじることは多々あれど、食べるまでには至ってませんでしょ?)

 以上、正統派菌糸ブロック詰めコンテンツとは、ちと違った方向からの変化球ノウハウ、ご参考にしていただけましたら幸いです。


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by 왕사 | 2009/05/03 10:51 | 왕사 정보 | 트랙백 | 덧글(1)

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Commented by 隊長父 at 2009/08/01 23:37
나의 문장을 무단으로 게재하지 말아 주세요.
몹시 분개하고 있습니다.

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